- 1 住宅購入のお金のことを網羅的にまとめました
- 2 家を買う時の流れ
- 3 そもそも住宅ローンとは何か?
- 4 住宅ローンは何年返済にすべきか?
- 5 予算はどう決める?
- 6 団信(団体信用生命保険)とは何か?
- 7 住宅ローン減税と税金で「損しない」ための知識
- 8 住宅ローンの変動金利が上昇したら?
- 9 借金を投資で返すという「間違った資産運用」に注意
- 10 在留外国人は住宅ローンを借りられるか?
- 11 将来、家を「住み替える」ことになったら
- 12 火事への備え
- 13 FPへの相談をせず、自己流のライフプランニングはNG
- 14 住宅メーカー・工務店が倒産したらどうなる?
- 15 住宅専門ファイナンシャルプランナーに相談してください
住宅購入のお金のことを網羅的にまとめました
「銀行が貸してくれる金額(借入可能額)」と「あなたが最後まで返せる金額(返済可能額)」。 この2つには、実は数千万円もの開きがあることをご存知でしょうか?
つまり、貸してくれる金額と、返せる金額は違うのです。
住宅ローンは、人生で最も大きな借金です。 35年~40年という長い返済期間中には、子供の教育費のピークが訪れ、老後資金を貯める必要があり、ローン金利が上昇するリスクもあります。
202年現在、金利のある世界への転換期を迎え、10年前の常識は通用しなくなっています。
「なんとかなるだろう」で契約し、数年後に後悔する人を一人でも減らしたい。 その思いから、住宅専門ファイナンシャルプランナー(FP)が、「家を買っても家計を破綻させないための知識」をこの1ページに体系化しました。
家を買う時の流れ
そもそも、家を買う時は何から始めたらいいのでしょうか?
いきなり住宅メーカーやマンションのモデルルームに行くのは厳禁。住宅営業マンの都合のいい情報をすりこまれてしまう危険があります。最初の段階で住宅専門のFPに相談することをお勧めします。
※決して「保険のFP」に住宅購入について相談しないようにしてください。FPを自称していても、その方は住宅の専門家ではありません。
そもそも住宅ローンとは何か?
住宅ローンとは、住宅を買う時に金融機関から借りる借金です。
それは誰もが分かると思いますが、住宅ローンにはどのような種類があるのでしょうか。住宅ローンの種類について解説した記事がこちらです。
住宅ローンは何年返済にすべきか?
住宅ローンの返済期間は35年~40年に設定する方がほとんどです。
それでは長すぎる!20年で返済したい!という人もいるのですが、残念ながら金融機関がそれを認めることはまれです。
短期返済を認めてくれるのは、相当な高年収の人に対してだけです。これは返済負担率というルールがあるからです。年収に対して年間の借金の返済分はこのくらいの割合に収めてくださいねというルールです。
そのため、年収によっては返済期間を長くしないと借りられないというわけです。
最近では50年返済の住宅ローンも登場しています。住宅価格の高騰と、地方の年収の低さという事情から、地方銀行を中心に50年まで引き延ばした住宅ローンが登場し始めました。
当然ながら返済期間が定年退職後に食い込んでしまうと、家計は破綻のリスクを抱えてしまいます。そしてその建物が本当に50年も持つのか、冷静に判断する必要もあります。
日本の住宅の寿命(解体された建物の平均築後年数)は、40年に届いていないのが現状です。長寿命の家を購入する必要がありますが、それには高いコストがかかるのです。
予算はどう決める?
住宅専門ファイナンシャルプランナーからいうと、住宅購入の予算には絶対的なルールがあります。
- イニシャルコスト(建物・土地・諸費用の合計)
- 住宅ローン金利
- ランニングコスト(メンテナンス費用と光熱費)
- 設備の交換費用(太陽光、給湯器、エアコン、蓄電池など)
- 税金(固定資産税、都市計画税など)
- 火災保険
- リフォーム費用
- 建て替え費用(解体費含む)
これらをすべて含めて「予算」です。
特にランニングコストについて、考慮していない人が大半です。
外壁や屋根の塗り替え、設備の交換、リフォームなどを一生分計算すると莫大になります。屋根と外壁を塗り替えだけでも、10年ごとに150万円~300万円が必要です。最新の設備をこれでもかというほどテンコ盛りにした住宅の場合、さらに10年ごとに数百万円の交換費用が必要です。
建物の寿命が短ければ、定年退職後に解体・新築することにもなるでしょう。
イニシャルコスト(初期購入費)のローン返済に加えて、このような維持費を支払っていけるでしょうか。これは住宅専門ファイナンシャルプランナーに計算してもらわければなりません。自己流で判断するのは不可能です。
住宅メーカーの営業マンは維持費について言及するのを非常に嫌がります。維持費を細かく話すと家が売れなくなるからです。
予算決めは自己流では不可能です。
団信(団体信用生命保険)とは何か?
住宅ローンは35年~40年という、長期にわたって返済を続ける借金です。
もし途中で亡くなってしまったらどうなるでしょうか。遺族は借金を相続することになります。遺族が住宅ローンの残りを完済できるのは、ごく稀なケースです。
そこで団体信用生命保険(団信、だんしん)という制度があります。これによって万が一のとき(死亡、三大疾病、就労不能など)に住宅ローンの残債を生命保険でカバーする(残債がゼロになる)ことができます。
団信は非常に重要なポイントなので、よく理解しておきましょう。生命保険の見直しのときにも、団信の内容が影響します。
住宅ローン減税と税金で「損しない」ための知識
家を買う最大のメリットの一つが、年末のローン残高に応じて税金が戻ってくる「住宅ローン控除(減税)」です。
「家をローンで買うと、13年間、税金が安くなる」という話は聞いたことがあるかもしれません。
その仕組みを正しく理解していないと、「ふるさと納税」や「生命保険料控除」と併用した時に、本来戻ってくるはずのお金を捨ててしまうことになりかねません。
まずは、国の税制優遇をフル活用して、確実に手取りを増やす方法を押さえましょう。
住宅ローン減税の仕組みと「住民税」のこと
まずは住宅ローン減税について説明していきます。住宅ローン減税の仕組みを簡単に解説した記事があるので、さっと目を通してください。
住宅ローン控除は、まず「所得税」から差し引かれます。
しかし、借入額が大きい場合、所得税だけでは引ききれないことがあります。 その場合、翌年の「住民税」から差し引かれる仕組みになっていますが、ここには「上限額」が存在します。
ご自身の年収や家族構成、そして借入額でシミュレーションを行い、控除を無駄なく使い切れるかを確認する必要があります。
住宅ローン減税で住民税がいくら安くなるのか、解説した記事がこちらです。
「ふるさと納税」との併用テクニック
「住宅ローン控除がある期間は、ふるさと納税をしない方がいい?」という質問をよくいただきますが、答えは「併用可能ですが、申告方法に注意が必要」です。
ポイントは、「ワンストップ特例制度」を使うか、「確定申告」をするかです。 確定申告のやり方を間違えると、ふるさと納税の寄付金控除が住宅ローン控除の枠を侵食し、結果として損をするケースがあります。年収別のシミュレーションについての記事がこちらです。
生命保険料控除は不要になる?
「住宅ローン控除で税金がゼロになるなら、生命保険料控除の申告はしなくていいのでは?」 これもよくある勘違いです。
確かに所得税がゼロになれば、所得税上の生命保険料控除の意味はなくなります。しかし、「住民税」は別腹です。 住民税の決定プロセスにおいて、生命保険料控除は依然として節税効果を発揮する場合があります。FPでも間違えやすいこのポイントを解説します。
住宅ローンの変動金利が上昇したら?
長らく続いた「超低金利時代」が終わりを告げようとしています。 現在、多くの方が金利の低い「変動金利」を選んでいますが、すでに変動金利は上昇しはじめています。
変動金利が上昇すると、返済額も一定のルールで上昇していきます。毎月10万円の返済額が12万円に、12万円の返済額が15万円に増えていくことも仕組み的にありえます。
しかも上昇した分はすべて利息であって、元本の返済スピードが上がるわけではありません。
2026年以降、金利上昇リスクへの備えは必須です。 「上がったらどうするか」を決めていない変動金利の選択は、ただのギャンブルです。全期間固定金利のフラット35も選択肢に入れるべきでしょう。
変動金利は大きく上昇か?2026年以降の予測
政治情勢や日銀の政策決定は、住宅ローン金利に直結します。 特に「高市政権」やその後の政治動向によって、固定金利と変動金利のバランスはどう変わるのか。ニュースの見出しに惑わされず、長期的な視点で金利リスクをどう捉えるべきか、プロの視点で分析します。
借金を投資で返すという「間違った資産運用」に注意
「低い変動金利(0.4%など)で家をフルローン購入、手元の預貯金はNISAなどの投資で運用して(年利4%など)いけば、住宅ローンの利息などゼロにも等しくなる」
こんな「アービトラージ」理論は、数学的には正しいかもしれません。しかし、それは家計管理の実践の場では机上論にすぎず、大失敗する典型的なパターンでしょう。
なぜなら、金利が上昇する局面では株価が暴落するリスクもあり、いざ返済額が増えた時に「運用資産が目減りしていて引き出せない」という事態に陥るからです。中学生でも理解できる仕組みです。
「借金」と「投資」を同列で混ぜてはいけない理由を、FPとして警告しています。
在留外国人は住宅ローンを借りられるか?
近年、日本で働く外国籍の方からの住宅購入相談が増えています。
「永住権がないと住宅ローンは組めない」と諦めていませんか?
住宅メーカーの営業マンもこの部分は詳しくありません。
実は、十分な自己資金を用意することや、日本人配偶者がいる場合、あるいは特定の金融機関を選ぶことで、在留資格のままでも住宅ローンを組むことは可能です。
しかし融資審査が極めて厳しいことは事前に心得てください。
※SOFA(日米地位協定)により上陸審査を受けずに在留している場合は、住宅ローンを貸してくれる金融機関は皆無です。その場合は日本人配偶者が借りるしかありません。
なぜ外国人に貸し渋るのか?
ほとんどの金融機関は外国人に対して住宅ローンを貸すときには、永住許可を持っていることを条件にしています。
なぜ永住権が重要なのでしょうか?
それは、日本国の永住許可の厳しさに信頼性があるからです。軽微な交通違反や税金の滞納があるだけで永住許可は得られません。日本人よりも真っ当に生活していることが条件なのです。
永住許可があれば、住宅ローンの返済も責任をもって完遂する人物だと評価されて当然です。
問題は永住権のない在留外国人の場合です。永住権のない在留外国人に住宅ローンを貸すことは、金融機関にとって大きなリスクがあります。日本に定住していない人物にお金を貸すと、簡単に海外逃亡をする可能性もあると考えるでしょう。
この場合、どうなるでしょうか。
結論からいうと、「逃げきれません」が正解です。借金から逃れられないどころか、日本人配偶者は帰国した時点で詐欺罪で逮捕されることになります。悪質性が高く自己破産も許されません。在留外国人の日本人配偶者は、離婚しようとも過去の無計画な住宅ローンによって日本での生活が困窮を極めてしまうリスクがあります。
将来、家を「住み替える」ことになったら
転勤、離婚、親の同居、あるいは子供の独立。ライフスタイルの変化で家を手放す必要が出てくるかもしれません。 その時、最も怖いのが「オーバーローン(残債割れ)」です。
オーバーローンとは、借金の残り(残債額)が、住宅(建物と土地)の評価額を上回ることです。つまり家を売っても借金が全部なくならないということです。
家の売却価格よりも住宅ローン残債の方が多いと、差額を現金で用意しない限り、家を売ることはできません。離婚などで家をどうしても売りたいときには、残債をあらためて高金利でローンを組むなどの実務となります。
将来の住み替えを見据えた「資産価値」の考え方と、実務フローについて解説します。
火事への備え
住宅を買ったとき、真っ先に不安に思うのは「火事」でしょう。
もし火事が起きれば何千万円という資産が消えてしまうのです。
もし家が火事で全焼してしまったら、住宅ローンだけが残ります。それではその後の生活は成り立たなくなるでしょう。そのためにあるのが火災保険です。
火災保険は、火事だけではなく、台風や洪水、雪害などによる建物と家財の損害を補償してくれます。全焼・全壊した場合には、再度同じ家を取得できるだけの保険金を受け取ることができます。
火災保険は「住宅ローン破綻」を防ぐための命綱です。保険営業マンや銀行のおすすめプランをそのまま契約するのではなく、自分で中身を選びましょう。
家が全焼したら火災保険の手続きは複雑になる
「火災保険に入っていれば、ローンはチャラになる」
実はそう簡単な話ではないのです。全焼した後の実務は少々複雑です。
全焼した場合の火災保険金は「銀行への返済」に充てられるのか、「家の再建・再取得」に使えるのか、契約内容によってその後の人生が大きく分かれます。
考えたくない話ですが、予備知識として火災時の実務を知っておいてください。
「時価」と「再取得価額」の決定的な違い
もしあなたの火災保険が古い契約(長期契約など)の場合、要注意です。 家が古くなると価値が下がる「時価」での契約になっていると、いざ火事になった時に「今の価値(減価償却後)」の金額しか支払われません。
「父親が建てた時は7,000万円だったのに、おりた火災保険は300万円だった」という事態が起こりうるのです。
当然ながら、同じ家を建て直すには資金が足りないという事態に陥ります。 火災保険は必ず「再取得価額(新価)」で契約する必要があります。
焼け残った家の片付け費用と復旧義務
全焼ではなく「ボヤ」や「一部損壊」の場合でも、火災保険の実務は複雑です。
火災保険金は「修理の見積もり」に基づいて支払われますが、実際に修理をする義務(復旧義務)があるかどうかは、契約によって異なります。
「保険金を受け取ったけれど修理せず、生活費に使いたい」
「保険金を受け取って、建物は解体したい」
といった使い方ができるのかどうか、最新のルールを解説します。
FPへの相談をせず、自己流のライフプランニングはNG
住宅購入は、物件選びと同じくらい、あるいはそれ以上にライフプランニングが重要です。
- 「今の家賃と同じ返済額なら大丈夫」
- 「銀行が貸してくれるから大丈夫」
- 「別にお金の不安はない」
そう発言する人が非常に多いのですが・・・
特に地方では住宅購入の年齢は20代後半~30代初めです。若さゆえに将来の見通しが甘いことが多いのです。
妻の収入は60歳まで継続しない
例えば妻の収入が65歳まで続くものだと考えている世帯がほとんどなのです。実は、女性の労働者のうち60歳時に正規雇用されている割合は、13.1%に過ぎません。一方で男性は60.6%です。
女性の正規雇用は20代後半をピークに下がり続けていきます。出産や健康上の問題を抱えやすく、20代の収入が定年退職まで続くと考えるのは、甘すぎるといえます。妻の収入をどう考えるかで、予算は違ってきます。
ぺアローンと離婚のリスク
また、考えたくない話ですが、離婚のリスクもあります。
ぺアローンを組んで離婚をすると、多くの場合、家を売却することになります。離婚して家を出るからといって、住宅ローンが免除されるわけではありません。金融機関は離婚を理由にした返済方法の変更を認めません。夫婦で借りた以上は離婚してもきっちり返済してくださいと、ドライに対応されるだけです。交渉の余地はゼロです。
離婚するかどうかではなく、離婚した時の大きなリスクを理解したうえでぺアローンを借りましょう。
持ち家か、賃貸か?
「持ち家vs賃貸」論争というものがあります。持ち家がいいか、賃貸がいいかという比較の論争ですが、住宅専門ファイナンシャルプランナーからすると、ナンセンスでしかありません。
お金持ちの人は、一生賃貸でもいいでしょう。
しかし平均的な会社員世帯は、一生賃貸で暮らすほどのお金の余裕はないはずです。
また、ライフスタイルとして自由な移動をポリシーとするのであれば、一生賃貸が必須になります。
答えは「人による」なのです。
一生賃貸でいきたいけれどお金は大丈夫か、収入が少ないけれど持ち家が必要だが買っていいのか、そんな不安は自己流では解決しません。必ず住宅専門ファイナンシャルプランナーに相談してください。
30年後にその町が消滅している可能性は?
地方では、予算を押さえるために「著しく土地が安い地域」を選ぶ人が少なくありません。たとえば坪1万円といった僻地です。100坪購入しても100万円なので、住宅の資金計画はかなり抑えられるでしょう。
しかし、その地域は30年後にどうなっているでしょうか?
近所に病院もスーパーもなく、周辺は空き家だらけ。野生動物や不審人物が勝手に住み付き治安も不安の一途・・・。そうなったらもはや資産価値はゼロです。
そのような土地でしか家が手に入らないとしたら、新築を諦め「中古+リノベ」を検討してみましょう。
住宅メーカー・工務店が倒産したらどうなる?
住宅メーカーや工務店も民間企業である以上、ある日倒産してしまう危険があります。
特に注文住宅を発注していた企業が倒産した場合、施主にとって事態は極めて深刻な状態になります。「きっと国が助けてくれるだろう」と考えてしまいますが、そんなことは絶対にありません。
住宅ローンの借金だけが残り、建物は建築途中の状態・・・職人は現場を放棄し、建材は引き上げられ、足場も外されてしまいます。銀行から連絡が入り、すでに貸し付けているローンは一括返済をしてくださいと冷酷に言われるのです。下請け企業は連鎖倒産し、施主もまた自己破産待ったなしになります。
数千万円の大損害を被り、金銭の救済は一切ありません。
そのような事態を防ぐために、住宅メーカーや工務店の経営状態の確認は非常に重要です。コロナ禍以降、戸建て住宅の販売は不振を極めていて、経営状態がかなり悪化している企業はめずらしくありません。
経営状態を調べることは一般消費者には困難です。住宅業界の事情に詳しい専門のFPなどから情報を仕入れる必要があります。
住宅専門ファイナンシャルプランナーに相談してください
長岡FP事務所では、ハウスメーカーや銀行の利害関係に縛られない「第三者の立場」で、あなたの住宅購入の安全性を診断します。課題が見えたら、改善のお手伝いをします。
また万が一のリスクからご自身と家族を守るために、今からできることを考えていきます。
専門性の高いファイナンシャルプランナー事務所ですが、相談は無料です。

















