延床面積24坪の狭小住宅のリスクとは
住宅価格が高騰している2026年現在、必然的に平均的な住宅の大きさは小さくなる傾向があります。
1970年代に地方都市で生まれた方の場合、ご実家の大きさはどのくらいの大きさだったのでしょうか。ご実家が戸建てのだった場合、延床面積で40坪くらいのイメージではなかったでしょうか。
一階に居間があり、分離された台所、客間、風呂、トイレ、さらにもう一部屋ある場合も。二階は子供部屋がふたつある、という感じでしょうか。家族構成は核家族で、父、母、子供2人から3人のイメージですね。
ご実家が農家だった方の場合、より大きな家だったと思います。二世代、三世代で代々暮らすスタイルだったこともあり、家の大きさは60坪、70坪に及ぶ場合も少なくありませんでした。
しかし2000年代初頭から、ローコスト住宅ブームが到来し、家の大きさが極端に狭くなる傾向が顕著になりました。
延床面積24坪で、一階はリビングとお風呂と洗面台、トイレのみ。二階は3部屋あり、6畳の主寝室、4畳半の子供部屋がふたつ。収納は最低限で、多くの場合外に物置小屋を設置しています。
正直なところ・・・家具を入れてみるとものすごく狭い印象です。このような狭小住宅を購入する層は、小さな子供がいる30歳前後の夫婦です。まだ子供が小さいため不便は感じないかもしれませんが、子供の身長が伸び大人のサイズになったとき、家族四人で本当に暮らせるのだろうかと不安になるほどです。
少なくともプライバシーは守られにくいでしょう。
でもまあ・・・狭いのは主観と価値観の問題なのでいいのです。
問題は別のところにあります。
それは・・・
- 家族の誰かが介護状態になったら?
- 家族の誰かが大怪我をしたら?
- リモートワークが主体となったら?
このような場合、我が家はひどく生活しづらい場所になってしまいます。
間取りで備えておくべき問題
家づくりにおいて、間取りを「今の生活」に合わせてしまうのは、大変なリスクがあります。
たとえば次のような場合です。
介護・身体の不自由
もし50歳くらいの若い時期に家族が脳卒中を患ったらどうなるでしょうか?
障害を負い、自宅で介護をしながら社会復帰を目指す人がおおいでしょう。片麻痺があり車椅子が必要だったらどうなるでしょうか。
車椅子でトイレに入り、家族に立ち上がりを介助してもらう広さはありますか。
一階に介護ベッドを置くことは可能ですか?その隣で配偶者が寝ることは可能でしょうか。
そしてデイケアのリハビリにでかけるとき、玄関の「あがり框(かまち)」の高さは高くなっていませんか?あがり框とは、玄関から中に入る時のステップの高さのことです。

車椅子の場合、ここに簡易的なスロープを設置するのですが、あがり框が高すぎたり、玄関自体が狭すぎるとスロープが設置できません。
昨今は建築基準法の改正や、住宅基礎の性能アップもあり、基礎の高さが30センチを超えるようになっています。あがり框は昔よりも高くなっています。狭小住宅は玄関も狭く車椅子の行き来が極端に難しくなります。
また、介護になるとヘルパーやデイケアの送迎車の駐車スペースも必要です。路上に停車すら難しい立地では、いずれ強い不便を感じるようになります。
子供の思春期
子供の思春期は、親の想像以上に困難なことが多いものです。
非常にナイーブな精神状態になった子供にとって、プライバシーが守れない環境は苦しいと思います。
自分の部屋の隣が両親の寝室というのは、小さな子供ならともかく、中学生になった子供にとってはちょっと厳しいものがあるかもしれません。親に聞かれたくない友達との電話もありますよね。
ワークスタイルの変化
コロナ禍の前までは、リモートワークという発想が皆無だった人も多いのではないでしょうか。しかもオンラインで会議をするために、静かな居室を用意することになるとは想像もしていなかったものです。
リモートワークだけでなく、これから先、ワークスタイルが次々に変化してく可能性があります。
1990年頃に自宅を建設した人がよく言うのは、コンセントが足りないということです。当時は自宅にパソコンがなく、携帯電話もありませんでした。それが現在はノートパソコンが複数あり、充電が必要なスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホン、モバイルバッテリー、コードレス掃除機、ウォーターオーブンなどとにかく電気を使います。
自宅で充電したくても、家族が夜に十分なコンセントを確保できないこともあるのです。
ワークスタイルやライフスタイルが時代とともに変化していくのは常です。10年先、20年先に生活はどうなっていくか、先読みする必要があります。

親のリロケーション
これはご実家が賃貸である方が注意すべき問題です。
賃貸住まいの両親は、いずれ住む場所の問題が起きます。多くの賃貸オーナーは高齢者に部屋を貸したくないのです。家賃の支払いが厳しくなり引っ越したくなっても、引っ越し先が見つかりません。特に地方ではそうでしょう。
その場合、子供世代が自宅に呼び寄せることも考えられます。
もちろんそれほど大きな家にする必要はありませんが、可能性があるのであれば、狭小住宅にするのはリスクがあります。
人生設計をよく話し合ってから間取りを考えましょう
家を買うとき、建てる時は、自分たちのライフスタイルを時系列でよく考えていく必要があります。今の生活は今だけのものです。20年後にはどうなっているのか、どうしたいのか、ご夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか?
長岡FP事務所では、ライフプランに沿った間取りをアドバイスしています。

























