青森県でも土地込み5,000万円が当たり前の時代
2026年9月現在、新築を建てようと思っている方の多くはこうつぶやいていると思います。
物価が安いと思われがちな青森県ですが、八戸市内で土地から新築戸建てを建てようと思ったら、4,500万円は当たり前の時代です。
住宅専門FPとして青森県内でFP相談を受けている筆者ですが、コロナ禍後は、家を買える世帯が急激に減っています。
はっきり言うと、平均的な収入の世帯は家を買えていません。諦めているのです。
でも、諦めましたでは済まされないのが青森県の住宅事情。定年退職したら賃貸住宅の家賃なんか払えないのは目に見えています。老後に住める家をどこかで確保しないとならないので、ハイ諦めますでは済まないわけです。
20年以上前に家を買った職場の先輩に聞くと、こう言うでしょう。
「俺は1,500万円で買ったぞ、4,500万円なんて高すぎだ」
お前いつの話なんだよとムカつく人もいるでしょう。相場も知らずに決めつける老害はどこの職場にもいるものです。
でも、いま、青森県内で1,500万円で家を建てることは可能なのでしょうか。
1,500万円で家は建つのか?
建築資材の高騰が続き、住宅ローン金利も上がっています。
青森県内で「総額1,500万円・土地込みの新築一戸建て」を建てることは可能でしょうか。
この記事ではそこを検証したいと思います。
国土交通省「建築着工統計調査」や住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」によると、青森県内で建てられる木造住宅の平均延床面積は約33〜35坪、建築費用の平均は約3,300万円。
着工統計から算出される木造の平均坪単価(約65万〜75万円)で考えると、30坪の住宅を建てれば建物本体だけで約2,000万〜2,200万円程度になる計算です。
繰り返します、平均坪単価でみても、建物価格は2,000万円を超えます。
それにもかかわらず、土地と諸費用まで含んだ総額で、1,500万円で建てるのは可能なのか・・・。
まずは諸費用を考える
まず、総予算1,500万円のうち、工事や土地代以外でかかる「諸費用」がいくらになるのかを検証します。
必ずかかる諸費用
土地を先に買って新築を建てる場合、土地代を先に支払う必要があるため、ネット銀行は使えません。
分割実行に対応する青森県内の地方銀行(青森みちのく銀行等)やフラット35を利用します。その際にかかる最低限の実費は以下の通りです。
| 費用 | 最安 | 標準 | 備考 |
| 建築確認申請・設計料 | 35万円 | 45万円 | 図面作成、建築確認、中間・完了検査の法定実費 |
| 仮設・現場管理・産廃費 | 40万円 | 50万円 | 足場、仮設トイレ、産廃適正処理費 |
| 屋外給排水・電気引込工事 | 60万円 | 80万円 | 前面道路の本管から敷地内への配管工事費 |
| 水道加入金 | 5万円 | 15万円 | 自治体水道局への納付金(メーター口径による) |
| 地盤調査費用 | 5万円 | 8万円 | 瑕疵保険加入のための必須調査代 |
| 登記費用(登録免許税) | 10万円 | 15万円 | 土地移転、建物表題・保存、抵当権設定の税金 |
| 司法書士・家屋調査士報酬 | 15万円 | 25万円 | 表題・保存・設定登記の手続き報酬 |
| 銀行融資手数料・保証料 | 5万円 | 33万円 | 地銀の分割実行手数料・保証料 |
| 火災保険・地震保険料 | 12万円 | 25万円 | 省令準耐火仕様による割引適用・水災除外 |
| 実費合計 | 約187万円 | 296万円 | 金融機関や建物の仕様で約110万円の差 |
必ずかかる費用は約187万円です。
総予算1,500万円からこの約187万円を引くと、「建物本体工事費」と「土地代」に使えるお金は、最大で『約1,313万円』残ります。
施主が工夫すれば0円にできる諸費用
次に、極端なことを言えばゼロにできる諸費用がこちら。
- 外構工事: 完了検査に外構工事は含まれません。引き渡し時は土のまま受け取ればゼロ円にできます。格好はよくありませんが、土でも困りません。
- 家具・家電・カーテン: 家具家電は、いま使っているものを持ち込めばゼロ円です。カーテンがないと夜は丸見えですが、究極、困りません。
- 印紙税: 建築請負契約や銀行の金銭消費貸借契約で「電子契約」を使えば、印紙税は法的に0円になります。
1,500万円ー187万円で、残りは1,313万円です。
建物と土地の配分を考える
次に、残りの1,313万円で建物と土地を買わなければなりません。
どう割り振ればいいでしょうか。
土地の予算は100万円とする
青森県であれば、立地にこだわらなければ、100万円という土地は見つかります。ただし、八戸市、青森市、弘前市という主要都市の中心部は不可能です。
八戸エリアでいうと、階上町、六戸町、南部町、十和田市の郊外となるでしょう。坪1万円~3万円程度の土地を探す必要があります。
- 土地代:約100万円
- 建物本体代:約1,213万円
こんな振り分けになります。
建物に使えるのは税込みで1,213万円です。
坪単価50万円とすると、建物の大きさは24坪程度ということになります。子どもがひとりであれば十分な広さでしょう。
もし坪単価70万円であれば、17坪程度。夫婦2人でやっとという感じでしょうか。
建物をどうする?
筆者が調べてみると、1,200万円で購入できる建物は、住宅ブランド「LIFE LABEL(ライフレーベル)」が展開する、ZERO-CUBEという規格型住宅があるようです。
全国でフランチャイズ展開されていて、地元工務店が取扱店となっているようです。
ERO-CUBEは元来「1,000万円からはじまる家(税抜1,000万円 / 税込1,100万円)」をコンセプトとして展開されてきましたが、近年の木材・建材価格の高騰、住宅設備の価格改定、省エネ基準適合義務化などの影響を受け、現在の本体標準価格は税込約1,200万〜1,300万円前後(延床約29.8坪、3LDK)となっています。
最も安いプランで、1,200万円というものがあり、おどろくことにぴったりです。
29.8坪というのも驚きです。

もちろんこれは一例です。もっと安い建物を販売する工務店はあるかもしれません。
しかし、極端に安くなると、「デザインがダサい」「すぐ朽ちる」「メンテナンス費用がかさむ」ということになるので注意してください。
ここまでに分かることは、1,200万円で買える建物はある、ということです。
土地の追加費用に注意
100万円の土地があったとしても、追加費用に注意してください。
簡単に数十万円から100万円以上が飛んでいきます。
- 上下水道の引き込み: 前面道路の本管から敷地内へ水道が引き込み済みか確認してください。道路からの引き込みや本管延長が必要な場合、工事費が数十万〜100万円以上加算されます。
- 地盤の強度: 軟弱地盤で地盤改良工事が必要になると、70万〜100万円程度の追加費用が発生します。改良が不要な土地を選ぶ必要があります。
実際のところ、水道引き込み済みで地盤改良が不要というのは・・・プロの不動産業者からしたら「そんな土地が100万円では売ってないだろ!」と突っ込まれるのは分かっています。
あくまでも机上論ですが、十和田市ではそんな土地が最近いくつかあったので、無茶ではありません。
住宅ローンの金利には注意
いくら1,500万円で抑えたとしても、住宅ローンの金利が上がってしまえば総支払額が変わってしまいます。
変動金利(優遇後で年1.70%前後)を基準とし、借入額1,500万円・35年返済(元利均等・ボーナス払いなし)で試算します。
- 金利 1.7%(県内地銀・変動金利の実勢想定):
- 毎月返済額:47,433円
- 35年総返済額:約1,992万円(利息総額:約492万円)
- 金利 3.0%(将来的な想定):
- 毎月返済額:57,789円
- 35年総返済額:約2,427万円(利息総額:約927万円)
近いうちに金利が3%になるのはかなり現実的と筆者はみています。1,500万円とはいえ、58,000円程度の毎月の返済は見ておく必要があります。
とはいえ、アパートの家賃と比較すると、かなり安いといえるでしょう。
シミュレーターを作りました!
シミュレーターを作ってみたので、トグルを動かして雰囲気を掴んでください。
まとめ
検証の結論は、「不可能ではない」です。
ただし、そのためには以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 建物: 1,200万円以内
- 土地: 水道引き込み済み・地盤良好で、100万円
- 諸経費:外構工事と家具家電の新調はしない。カーテンはつけない。
なかなか尖った建築計画に思えますが、実際の建物も売っていて、土地も安いところがあるとなると、不可能ではありません。
もしいくらでも安く住宅を手に入れたい場合は、当社にもご相談ください。工務店のご紹介も可能です。
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家・・・高すぎるだろ・・・