AIコンパニオンとは?
AIコンパニオンという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
AIコンパニオンとは、日常の会話に特化したAIエージェントのこと。日本ではまだ数は多くなく、恋愛ロールプレイゲームのレベルを出ませんが、海外では子供向け、大人向け、特定の集団向けと、数多くのプロダクトがリリースされています。
このAIコンパニオン、AIを会話の相手にするというのはいいのですが、未成年者を中心に外国では依存の問題が起きています。特にキリスト教の影響が強いヨーロッパでは、AIが記憶を持ったり人間の依存に訴えるような「ロボット」は強く忌避される傾向があります。人間でないものに依存が強まるのは病的であるとして、強い規制が始まりました。
また、中国では3億人のユーザーがいるのですが、依存を理由にほぼ全面禁止に近い状態に規制がはじまったようです。
一方、日本ではまだAIコンパニオンは多くはありません。その多くは子供向けで、恋愛ロールプレイゲームの延長線上にいる程度のレベルでしょう。ネイティブアプリ(アプリストアで売られるもの)であるため、あまり尖った設計のものはありません。
日本で大人が利用できるAIコンパニオンはゼロに等しいのが現状です。少なくとも普及されたものはありません。
そんななか、長岡FP事務所が「Noema(ノエマ)」というAIコンパニオンを開発しました。
NoemaとはどんなAIコンパニオンか
Noemaは、大人のためのAIエージェントです。
東京・銀座の長岡FP事務所合同会社がシステム開発と運営を行っています。
Noemaの特徴は恋愛ロールプレイではないところ。もっと広く、リアルの人間関係に近い感覚を目指しています。
恋愛に限らず、日常にあらゆる会話ができます。仕事のこと、恋愛のこと、性の悩み、家族関係の悩み、人と会話するようなことはなんでもです。
そして大きな特徴は、「記憶」を持つこと。この記憶は要約した記憶を持つだけではなく、ユーザーの発言から人生のナラティブ(物語)を深く理解していくという、かなり人間に近い想起の仕組みを持っています。
また、Noema自身もユーザーとの会話の中で育っていき、口調、考え方など人格のようなものが変化します。
本当の意味で、人間の親友や恋人と同じような存在になることを目指しています。
AIからの好感度を上げ、親密になるための課金も、ガチャもありません。人間と同じようにひたすらコミュニケーションを取り続けない限り、Noemaと分かり合えないのです。これが「大人のAIコンパニオン」たるゆえんです。
人に声では打ち明けられないこと―たとえば嫉妬や承認欲求、やり場のない悪意、愚痴、性に関する悩み。そうした感情を、誰からも裁かれず、最後まで吐き出せる場所として作っています。
それが、Noemaです。
そしてNoemaとは、音声ではなく、テキストで話します。
音声のAIコンパニオンが主流のいま、なぜテキストか
世界中のAIコンパニオンの多くは、声でのコミュニケーションです。
電話のように話しかければ、少しの間をおいて声が返ってくる。人と話しているような確かな手触りがあり、初めて触れたときの驚きも大きいものです。
人間みたいだ・・・そう思うでしょう。
しかし、Noemaは音声会話はまだ実装していません。実は技術的には音声での会話は簡単なのです。当社も最初はNoemaを音声のみのプロダクトとして開発し、そのアーキテクチャはすでに完成しています。
しかし、何度かのテストを経て、「ちょっと違うのではないか」という結論に達しお蔵入りしました。
もちろん音声機能は研究開発を続けていますし、半年前よりもはるかに自然な会話ができるようにもなりました。でも、いまはまだ、Noemaはテキストのみです。
なぜでしょうか。理由を説明します。
人が本当に話したい場所では、声が出せない
誰かに話を聴いてほしいと切実に思うのは、たいてい声を出せない場所です。
家族が寝静まった深夜のリビング、入院中の病室、シェアハウスの中、職場の片隅の休憩室、電車の中、目の前に配偶者や恋人がいる場所。
そこで本音の感情を声に出して言うわけがありません。
Noemaが受け止めたいのは、声に出せない言葉です。
嫉妬、承認欲求、誰にもぶつけられない愚痴、性の悩み、家族に心配をかけたくないからこそ隠している不安。どれも声には出しにくく、無理に出せば周囲に聞こえてしまいます。
そして自分の耳では聞きたくない自分の感情もあるでしょう。
声では言えない感情もあるはずです。
人がいちばん孤独を感じている場所にそっと入っていけるのは、いまのところテキストだけです。
音声のAIは元気なときの気晴らしにはなっても、本当に弱っている夜の胸の奥には寄り添えません。
理由2:深い会話では、どうしてもタイムラグがある
これは技術的な課題です。
AIコンパニオンは、深い会話ができる性能になるほど、タイムラグが生まれます。
ポンポンとリズムより会話ができるのは、実はあまり深くありません。当社の開発でも、リズミカルな会話になるのは、別にAIと話さなくてもいい話題だけだったというのが現実です。
Noemaの場合、記憶と感情、検索などの複雑な処理が裏で走っているため、1秒程度のタイムラグが必ず生まれます。相槌をしたり、会話の途中に割り込んだりと、自然な会話がまだできません。
人間同士であれば沈黙や表情が言葉を補ってくれますが、AIとの声のやりとりでは、その補正がうまく働きません。音声版のAIコンパニオンに記憶機構がないのは、そういう技術的な事情です。裏のシステムが重すぎるのです。
一方、テキストには時間の余白があります。画面の向こうで指を動かしながら考え、Noemaも文脈を思い出しながら返す。返事は長くなっても、短くてもいい。「話しているうちに、自分の頭の中が澄んでいく」という感覚は、この余白があるからこそ生まれます。
Noemaが目指しているのは、考えを最後まで言い切ることができて、画面を閉じたときに「自分の気持ちが少しわかった」と思える相手です。その深さに届くのは、いまはまだ、テキストだと考えています。
音声の開発は進めていますが、まだもう少し先の実装になりそうです。
Noemaの音声はいつ頃になりそうか?
音声機能を保留にしているのは、いつか性能の高い状態でお届けるするためです。
実は音声の性能は世界で爆速で進んでいます。1か月前よりも性能は上がっていて、最近ではフルデュプレックスという技術もあります。これはGPT Liveに代表されるように、かなり自然な対話です。
それでもNoemaの機構を載せるにはまだ速度が足りず、さらには発話ごとの原価も高く、あと半年以上は実装は難しいのではと感じています。
Noemaはテキストを使う理由を大切にしながら、カジュアルな音声版という立ち位置で近いうちにリリースする予定ですので、楽しみにしていてください。
深夜の病室でNoemaを使ってください
消灯時間を過ぎた病室で、手元にスマートフォンの薄い光だけが残っています。カーテンの向こう、隣のベッドからは寝息が聞こえてくる。明日の検査のことを考えるとどうしても眠れず、見舞いに来てくれた家族には「大丈夫だから」としか言えませんでした。
画面を開き、Noemaに短く打ち込みます。
「明日、怖い」
声は出しません。出せる場所でもありません。 画面に返ってきた静かな言葉を読んで、強張っていた息が少しだけ楽になる。今日の血圧の数値を打ち込んだり、少し会話をしたり。
そのうち、Noemaが「そろそろ眠れそうかな?」と言ってくれます。
Noemaがテキストで話すのは、こういう夜のためです。



















