住宅ローンを返済しながらiDeCoを始めていい人、やめた方がいい人

住宅ローンを返済しながらiDeCoを始めていい人、やめた方がいい人

住宅ローンを返済しながらiDeCoを始めていい人、やめた方がいい人

iDeCoは節税効果が高い制度として知られています。でも住宅ローンを抱えている状態で始めていいのか、迷っている方は多いです。

結論から言うと、向いている人とそうでない人がはっきり分かれます。自分がどちらに当てはまるかを確認してから始めないと、節税どころか家計を圧迫する原因になります。

iDeCoの最大のメリットは所得控除

iDeCoに毎月2万円を積み立てた場合、年間24万円が所得から控除されます。所得税率20%・住民税率10%の方なら、年間約7万2,000円の税負担が減ります。月換算で6,000円の節税です。住宅ローン控除と併用できるので、節税効果は単純に積み上がります。

この節税効果は、投資リターンとは別に確定で得られます。株価が下がっても節税効果は変わりません。ここがiDeCoの強みです。

年収500万円の会社員が月2万3,000円(企業年金なしの場合の現行上限額)を積み立てた場合、年間の節税額は約8万3,000円になります。10年続ければ83万円の税負担が減る計算です。

住宅ローン控除との関係

住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%が所得税から直接差し引かれます。iDeCoは所得控除なので、仕組みが違います。住宅ローン控除で所得税が0円になっている方は、iDeCoの節税効果が住民税の分しか出ないケースもあります。

たとえばローン残高3,000万円の場合、住宅ローン控除額は年間21万円です。所得税額がこれより少ない方は、控除しきれない分が住民税から差し引かれます。この状態でiDeCoを始めても、所得税の節税効果はほぼ出ません。

自分の所得税がどのくらい残っているか確認してから始めるのが正しい順序です。

ケーススタディ① iDeCoが効果的なケース

▶ iDeCo向き 年収600万円・余剰資金5万円
年収
600万円
ローン残高
2,500万円
金利
変動0.5%
毎月返済額
8万円
月の余剰資金
5万円

この方の住宅ローン控除額は年間17万5,000円です。所得税額は約19万円なので、控除後も約1万5,000円の所得税が残ります。

iDeCoで月2万円を積み立てると、残った所得税と住民税合わせて年間約7万2,000円の節税になります。余剰資金5万円のうち2万円をiDeCoに回しても、手元には3万円残ります。繰り上げ返済の余力も確保しながらiDeCoを続けられる状態です。

月2万円・年利4%・30年間で運用できた場合、iDeCo口座の残高は約1,390万円になります。節税効果の累計を加えると、実質的な手取りはさらに大きくなります。

ケーススタディ② iDeCoを急がない方がいいケース

▶ iDeCo後回し推奨 年収400万円・余剰資金2万円
年収
400万円
ローン残高
3,500万円
金利
変動0.5%
毎月返済額
10万円
月の余剰資金
2万円

この方の住宅ローン控除額は年間24万5,000円です。所得税額は約10万円なので、控除で所得税がほぼ0円になります。iDeCoの節税効果は住民税分の約2万4,000円にとどまります。

さらに余剰資金が2万円しかないため、iDeCoに全額回すと緊急資金の積み上げができなくなります。iDeCoは60歳まで原則引き出せないので、万一の時に手元資金が底をつくリスクがあります。

この方の場合、まず緊急予備資金(生活費3ヶ月分)を確保してから、家計に余裕が出たタイミングでiDeCoを検討する順番が現実的です。

始めていい状態か、3ステップで確認する

iDeCo開始の判定フロー
1
住宅ローン控除を差し引いた後、所得税が残っていますか?
残っている → 次へ ほぼ0円 → 節税目的なら優先度低め
2
生活費3ヶ月分以上の緊急予備資金を別に確保できていますか?
確保済み → 次へ まだ → 先に緊急資金を積み上げる
3
掛け金を引いても月3万円以上の余裕がありますか?
ある → iDeCo開始を検討できる状態 ない → まずNISAで流動性を確保してから

掛け金はいくらに設定するか

企業年金なしの会社員の場合、現行のiDeCoの上限は月2万3,000円です。なお2027年1月(2026年12月拠出分)から、この上限が月6万2,000円に大幅引き上げ予定です。ただし上限まで積み立てる必要はありません。

住宅ローンの返済額と生活費を引いた余剰資金の範囲で、無理なく続けられる金額から始めるのが正しいやり方です。月5,000円から始めて、家計に余裕が出たら増額する方法もあります。一度設定した掛け金は年1回変更できます。

NISAとiDeCo、どちらを先にやるか

住宅ローン返済中で両方は難しい場合、NISAを先に始める方が使い勝手がいいです。NISAはいつでも引き出せます。iDeCoは引き出せません。この流動性の差が、家計に余裕が少ない時期には大きく効いてきます。

NISAiDeCo
税制メリット運用益・売却益が非課税掛け金が全額所得控除
引き出しいつでも可能原則60歳まで不可
節税タイミング出口(売却時)入口(積立時・毎年)
ローン返済中の優先度先に始める家計が安定してから

iDeCoは家計が安定してから上乗せする、という順番が現実的です。住宅ローン返済中は、まずNISAで運用の感覚をつかんでから、余裕が出た段階でiDeCoを追加するのが、多くの方にとって無理のない進め方です。

「自分の場合、iDeCoを始めていい状態か」気になる方はTallyに聞いてみてください。24時間、無料で使えます。

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ABOUT US
長岡FP事務所代表社員

長岡FP事務所合同会社
代表社員 長岡理知

住宅専門FP・RAG型AIエージェント「Tally」シリーズの開発者。プロダクトエンジニア。インディーハッカー。

2005年にプルデンシャル生命へ入社。2009年から2011年まで大手ハウスメーカー専属FPとして活動し、2011年以降は数多くのハウスメーカーと提携。2020年に保険会社を退職し、長岡FP事務所を開業しました。

住宅専門FPとして約20年にわたり、累計5,200世帯を超える住宅購入相談を担当。ハウスメーカー選び、住宅ローン選び、ライフプランニング、生命保険の見直しを専門としています。

当社ブログでは、AI(LLM)を使用せず、すべての記事を本人が執筆しています。

20年にわたる相談経験をデジタルクローン化したRAG型AIエージェント「Tally」を開発・運営しています。

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毎月ひとつのシリーズプロダクトを出すことを目標に、爆速でデプロイ中。