FIRE達成で妻に捨てられる夫が続出。夫がFIREした瞬間が妻の離婚の最大のチャンス

経済的自立を果たし、念願の早期退職(FIRE)を達成した途端、妻が持ってきた離婚届け。

近年の株価上昇の裏で、こうした「FIRE離婚」が増えています。

離婚すると、結婚してから築いた財産は夫婦の共有の財産と見なされ、離婚時には妻が半分を受け取る権利があります。これを財産分与といいます。

この制度を利用して、FIRE夫が築いた財産の半分を受け取り妻は出ていく・・・夫は財産が半減したうえに、無職。再就職する事例が増えています。

もはや滑稽としか言えないこの状態。日本人の中年男性にありがちな顛末です。

せっかく築いた資産の半分を財産分与で失い、FIRE生活が崩壊してしまう夫の多くは、「まさか妻が離婚を切り出すはずがない」と高を括っています。

しかし妻の視点に立てば、夫のFIREこそが「今すぐ離婚した方が経済的にも精神的にも得」なのです。

この記事では、中年男性が理解していない夫婦の現実と、夫が離婚するならFIRE直後がいい理由を解説していきます。

FIREとは?

FIREとは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉です。

働かなくても暮らしていけるだけの資産を築き、若いうちにリタイアすることを指します。

一般的には、年間生活費の25倍の資産を確保し、それを年利4%で運用した利益の範囲内で暮らすことで、元本を減らさずに永続的に生活できる(4%ルール)という理論に基づいています。

あくまでも外国の理論なので、日本に当てはまるかは微妙なのですが、この「仕事をやめて悠々自適」というイメージに、中年男性は憧れるのです。

財産分与とは?

財産分与とは、離婚する際に「婚姻期間中に夫婦が協力して築き上げた財産」を分け合う法的な手続きです。

日本の法律(民法)では、名義が夫と妻のどちらになっているかに関わらず、結婚した後に増えた資産はすべて夫婦の「共有財産」とみなされます。

そして、その分け合う割合は、特別な事情がない限り一律で「2分の1(50:50)」と決まっています。

ただし結婚前に作った資産は分割の対象外です

結婚前に貯めていた独身時代の預貯金や、婚姻中であっても自身の親から相続・贈与された財産は「特有財産」と呼ばれ、財産分与の対象から除外されます。しかし、結婚後に仕事や副業、投資で増やした資産は、すべて折半の対象になります。

財産分与する財産が人生で最もピーク、それがFIRE直後

離婚による財産分与は、原則として2分の1ずつ折半(50:50)で分け合います。

そのため、妻としては家の財産が最も多い瞬間が、離婚のメリットが最大になるのです。

夫がFIREを達成した瞬間とは、「人生の中で資産総額が最も膨らんでいるタイミング」です。

夫が会社を辞めるということは、今後、労働収入が一切なくなるということです。よほど資産運用の運用益を生活費に充てるため、今後は資産が増えることはありません。

それ以降は、夫婦で節約しながら、無職生活を生き抜くというフェーズに入っていくということです。

これは妻から見れば、いまが人生のピークです。

「これ以上夫と一緒にいても、共有財産が増えることはない。であれば、目減りしていく前に自分の取り分(半分)を確定させて、新しい人生にした方がメリットがある」という判断になります。

FIREしたら夫といる理由がゼロになる

FIRE後の夫は、当然ながら平日の昼間も毎日家にいるようになります。

これが妻にとって計り知れない精神的苦痛になるでしょう。

FIREした中年男性は、とかくそのことを自慢しようとします。俺はすごい、俺は賢いと妻に自慢するのですが、妻からしたら単なる無職のおじさんでしかありません。これから財産が目減りしていく、若き高齢者です。

FIREする夫の多くは50代。50代にしてリタイアするというのは、女性からしてみれば、おじいちゃんにしか見えないのが現実です。夫は自分がカッコいいと思っている、しかし妻からしたら、もうお金を稼ぐ能力を失った男です。

しかも、毎日家にいる。節約しないとFIREが成り立たないので、悠々自適とはいっても、ひとりで旅行に行ったり趣味に没頭するお金はありません・・・FIREおじさんは、基本ケチなのです。

毎日自宅にいるケチな夫。仕事もしていないから新しい話題もなく、出かけることもなく、外見にも気を使わなくなって、友達もいない・・・

これは妻にとっては精神的苦痛以外の何物でもありません。

妻が離婚するとは思っていない夫

定年退職をしたとたんに離婚を申し渡される男性は非常に多いもの。

FIREという退職も同じです。

退職金をもらい、FIREの原資が貯まった瞬間が離婚のタイミングなのです。どうせこの先一緒にいても、夫のケチケチ生活に付き合わなければならないなら、離婚して自分の人生を生きた方がいい。それは傍から見て正論でしょう。

しかし当の夫本人は、まさか妻が離婚を切り出すとは思っていないのです。

FIREの計画に、妻が離婚を切り出すリスクなど1ミリも考えていない夫が大半です。

財産を半分失った夫は、再就職するしかない

当然ながら、FIREで財産を半分失うのですから、夫は無職生活はもうできません。

再就職するか、自営業として働くしかありません。

しかも老後の年金も、婚姻期間中の厚生年金部分も分割となります。FIREどころか、一生働かなければ生きて行けない高齢者が誕生します。・・・

定年退職後にしろ、FIRE直後にしろ、妻に捨てられた夫というのは恨み節ばかりです。筆者も数多くのFIRE離婚夫婦を見てきましたが、「妻のことを全く見ていなかった」夫ばかりで驚きます。

FIREしたあとで、夫婦でどんな生活にするのか、一度も話し合ったことがないようです。夫は自分が賢いと自慢するばかり。妻はそれを白けてみている。それが現実です。

FIREを目指す人に多い、「夫のひとりよがり」

夫の致命的な盲点は、「これだけ資産を築いたのだから、妻もリタイア生活を喜んでくれるだろう」と信じて疑わない点にあります。

しかし、それはどこまでいっても夫のひとりよがりであって、妻の理想ではありません。

なんで自分と四六時中いるのが、妻の幸せだと勘違いしているの?

もう収入を持ってこない夫と、これ以上いる意味はないと判断される可能性を考えていないのが夫なのです。

なぜFIREをめざすのか、実現したらどんな生活をするのがお互いの理想か、それともFIREはすべきでないか、老後はどのように暮らすか、など夫婦のコミュニケーションが足りないままFIREに突き進むと、あっという間に離婚に至るのも無理はありません。

妻は夫のFIREなど一切興味がない。その事実を男性はよく理解しておくべきでしょう。

筆者が受ける相談では、「夫がFIREだとかうるさくて、本当に気持ち悪い」と訴える妻が大半です。夫が無職になる準備を進めている姿に、一切の魅力を感じないものです。

FIRE離婚は、いかにも日本人の中年男性が抱えている問題を噴出させるきっかけになっています。

男性は、夫婦のコミュニケーションを増やしましょう。夫婦でいることは当たり前のことではないのです。

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ABOUT US
長岡FP事務所代表社員
長岡FP事務所合同会社 代表社員 長岡理知。

RAG型AIエージェント「Tally」開発者。住宅専門FP。インディーハッカー。

2005年プルデンシャル生命に入社。2009年~2011年まで大手ハウスメーカー専属のFPを経験。2011年から数多くのハウスメーカーと提携。2020年に保険会社を退職し長岡FP事務所を開業。

住宅専門FPとして経験は約20年。累計相談件数は5,000世帯超です。住宅購入時の、ハウスメーカー選び、住宅ローン選び、ライフプランニング、生命保険・損害保険の見直しを専門業務としています。

当社のブログは執筆にAI(LLM)を使用していません。

20年の経験をデジタルクローンしたAIエージェント「Tally」を開発・運営。