もしかして・・・「変動金利はまだ安い」「金利はそんなに上がらない」と思っていませんか?
2026年に入り、住宅ローンを取り巻く環境は大きく変わりつつあります。特に地方在住の方にとっては、今まさに変動金利から固定金利へ切り替えを検討すべきタイミングが来ている可能性があります。
この記事では、現在の金利動向と家計リスクを整理したうえで、フラット35をはじめとする全期間固定金利の選択肢を検討するポイントをFPが解説します。
変動金利「もう安くない」—地方での実態
ネット銀行やメガバンクの広告では「0.3〜0.4%」という数字が今も目立ちますが、地方の現場ではすでに状況が変わっています。
2025年末に日銀が政策金利を0.75%へ引き上げた影響を受け、2026年4月時点で地方銀行の変動型住宅ローンの適用金利は1.2〜1.5%台に達しているケースが増えています。
【筆者の相談実例】青森県内のあるローン利用者は、10年前に「当初金利0.8%」で借り入れ。優遇期間の終了と直近の金利上昇が重なり、現在の適用金利は2.3%に上昇。毎月の返済負担が当初の想定を大幅に超えています。
金利の優遇幅縮小・政策金利の引き上げ・世界的なインフレ圧力という三重苦が重なるなか、「変動金利は上がらない」という前提での返済計画は、少し絵空事かもしれません。
「金利が4%になったら」—最悪シナリオを一度考えてみる
長岡FP事務所では、ライフプランに当てはめたとき、住宅ローン金利を4%としてシミュレーションしています。
4%まで上昇したときに、本当に返済できるのか?家計は破綻しないのか?を考えていただいています。
金利が 0.6% から 4.0% に上昇した場合、月々の返済額は約 1.5倍〜1.6倍 に膨らみます。
8万円の返済が、16万円になるということです。
「金利4%は極端では?」と感じる方も多いでしょう。ただ、家計の防衛策を考えるうえでは、最悪のシナリオを一度試算しておくことは有益です。
「5年ルール・125%ルール」の盲点
変動金利には返済額の急増を抑える仕組みとして、5年ルール、125%ルールがありますが、裏を返すと「金利だけが上昇して元本がほとんど減らない」状況が生じうる構造になっています。
本来支払うべき利息が返済額を上回ると、その差額は「未払利息」として残債に上乗せされます。
毎月きちんと返済しているにもかかわらず、借入残高が減らない・むしろ増える、という事態が理論上は起こり得ます。
これは特定の状況下での話ですが、「仕組みを知っておく」だけでも、金利上昇局面における意思決定は変わってくるはずです。
今後、家を失う人が増える
2010年代に流行したローコスト住宅。
坪単価30万円程度で建てられた激安住宅のことです。ローコスト住宅を当時購入したのは、世帯年収500万円に満たない世帯でした。中には世帯年収で300万円以下という低所得世帯も。
変動金利が4%になったら、世帯年収300万円~400万円の世帯の多くは、家計破綻は必至です。子供にもアルバイトをしてもらい足しにするなどの状況に追い込まれ、さらには高確率で家を失うことになります。
ローコスト住宅はメンテナンス費用も高額になりがちです。メンテナンスができず20年が経過した建物はボロボロ。任意売却も不調に終わり、自己破産に至るケースもあるでしょう。
2010年代の変動金利は、地方銀行で0.6%程度。それがずっと続くと思い込んでいたのです。
妻が65歳まで働く前提になっている家が多い
今はほとんどの世帯が、ぺアローンを組んでいます。
夫と妻の両方が債務者となってローンを借りる仕組みですが、住宅価格の高騰で、ぺアローンでないと家が買えないのです。
この場合、妻の収入が65歳まで続くという前提になっている世帯が多いのです。
本当にそれは可能でしょうか。
女性が定年退職まで同じ会社で正社員として雇用されている割合は、6.5%です。転職しながらも定年退職まで正規雇用として働き続ける人でも、3割程度に留まります。
パート・アルバイトも含めても、55歳の段階で仕事をしている割合は75%程度です。
圧倒的多数は正社員を辞めて、パートやアルバイトになっているといえます。これにはいくつかの理由があり、「健康上の問題」と、「転職の困難さ」が大きいです。
現代では、年齢が上がるほど転職は厳しくなります。20代、30代の若い女性でも正社員として転職するのは容易ではない時代です。
またAIが爆発的に普及している現代、「事務員」の採用は急激に減っています。属人的であった「営業職」ですらAIに置き換えられるでしょう。残る仕事は看護師や介護士、医師、技術者などの専門職やエッセンシャルワーカーだけです。
金利の大幅な上昇に加えて、妻が働けないとなったとき、家計は絶望的な状況に陥ります。一人分の年収で借りられる住宅ローンが理想でしょう。
フラット35「2.49%」は高いか、それとも安心料か
そこでいま注目をされているのが、全期間固定金利の「フラット35」です。
金利が固定されるため、返済金額は変わりません。この安心感が大きく、新築を買う人だけでなく、借り換えする人も増えています。
しかし問題はその金利。
住宅金融支援機構が提供するフラット35の2026年4月適用金利は、2.490%(融資率9割以下・団信込み)です。3月の2.250%から上昇していて、さらに上昇する見込みです。
しかし、変動金利がさらに上がっていくことを想定すると、2.49%で借りておいて良かったと思うことになるかもしれません。
もちろん、金利が今後大きく上がらなければ変動金利の方が総支払額は少なくなります。
どちらが「正解」かは、将来の金利次第です。
2016年8月にフラット35を借りた人の適応金利は、なんと「0.9%」でした。この金利は完済まで変わりません。フラット35にして正解だったといえます。しかし当時の変動金利は、ネット銀行で0.3%以下。その中でフラット35を選ぶ人は少なかったのですが、長い目で見たら大正解でした。
フラット35への切り替えを検討すべき人のチェックリスト
以下に当てはまる方は、今すぐ固定金利・フラット35への借り換えや新規検討を具体的に始める価値があります。
- 月の返済額が少しでも増えると家計が苦しくなる
- 借入残高が多く、完済まで20年以上ある
- 金利上昇のニュースを見るたびに不安を感じる
- 変動金利を選んだ理由が「安かったから」だけだった
- 変動金利が安かったから家が買えたと思う
- 子どもの教育費・老後資金などの大きな支出が今後控えている
筆者の相談の事例では、変動金利での返済額が2万円上がったことによって、NISAや生命保険を解約しているケースが目立ちます。
さらに金利があがったとき、小手先の節約では追い付かなくなります。将来を見通して、もう金利を固定するべきときかもしれません。
住宅ローン控除・繰り上げ返済・中古+リノベ
住宅ローン控除の活用価値が変わった
かつて金利が低かった時代は「住宅ローン控除で得をする逆ザヤ」が成り立ちました。
住宅ローンの控除率が1%、住宅ローン金利は0.3%などという状況では、当初10年間は実質無金利となる計算だったのです。
この点は国会でも問題視され、制度の改定に至りました。
控除率が0.7%に下がり、適用金利が1〜2%を超える現在は、恩恵は減りました。
控除を待つより繰り上げ返済で支払利息をカットする方が家計防衛につながるケースが増えています。
中古住宅+リノベーションという選択肢
2010年代に流行したローコスト住宅を購入した低所得世帯は、今後、家を手放すケースが増えます。
新築価格が資材高騰で高止まりするなか、今後はそのような中古物件を購入する人が増えるでしょう。
割安な中古物件を取得し、浮いた予算をリノベーションや資産運用に充てる戦略は、2026年の市場環境において合理的な選択肢の一つです。
ただし、約20年前のローコスト住宅はすでに寿命を迎えているケースもあります。メンテナンスも行われていないことがありえるため、物件のチェックは慎重に行ってください。躯体が濡れて腐朽が進んでいる物件も少なくありません。
変動か固定か、今こそ見直しの好機
「変動金利のままで大丈夫か」という問いに対する答えは、人それぞれです。
ただ、金利環境が確実に変わりつつある今は、根拠なく変動金利を継続するのではなく、あらためて比較・検討を行う絶好のタイミングです。
フラット35への借り換えシミュレーション、現在の変動金利条件の再確認、繰り上げ返済計画の見直し—これらを一度整理してみることをお勧めします。不安を感じている方は、長岡FP事務所への相談をおすすめします。
長岡FP事務所はフラット35の取次店です。無料で事前審査ができますので、ぜひ一度ご利用ください。




























