不謹慎だけど・・・切実な悩み
「長年の不倫相手に、自分がいなくなった後も不自由させたくない」
家族からしてみたら「何を言ってるんだよ」と、怒りしかない夫(父親)の悩みですが、本人にとってはいつも心にひっかかる悩みのようです。
特に、相手に子供(非嫡出子)がいる場合です。子供には大変な迷惑をかけているという自覚があり、そこに報いたいという思いが強いのです。
不倫関係が数十年と長くなり、生活を自分が支えているという男性は現在80代以上の高齢者にめずらしくありません。特に経営者層のかたは、配偶者以外の女性との関係を持っていることが多く見受けられます。
そのような行為が公然と行われていた時代なのです。
筆者は2000年前後、輸入車ディーラーのマネージャーをしていましたが、不倫相手(愛人)に車をプレゼントするというマーケットは無視できないほど巨大でした。現代ではほとんど無いと思いますが、当時はこのマーケットを無視すると業績が落ちるのは必至でした。ちなみに、経営者層のお相手の女性の職業にバリエーションはなく、たったひとつでした。
当時の方々はいま80代。女性は70代。相続の時を迎えています。いろいろと対策を考えていることでしょう。
もちろんその関係は不貞行為でしかありません。違法ではありませんが、民法上の不法行為ではあります。不倫相手はどれほど関係性が長くとも、法的には一切権利の保障はありません。当然、法定相続人にもなれません。
不倫相手の子供も認知していないため、子供も法定相続人にはなれないとなると、罪悪感を抱えることになります。
不倫が長くなった高齢の経営者男性としては、長年支えてもらったし、妻がしてくれないことも引き受けてくれたという思いが強いようです。相手と子供に、自分がいなくなった後も生活できるようにしてあげたいと、考えているでしょう。
実際それは可能なのでしょうか。脱税などではなく、合法的に遺産(もしくは資産)の一部を移転することはできるのでしょうか。
正しく移転する方法はあります。しかし金融機関など大手企業はコンプライアンス上、一切のアドバイスを拒否するでしょう。
この記事では、知識のほんの一部、ヒントのみを書こうと思います。
不謹慎な事象を前提にしているため、不愉快に感じる方も多いと思います。また、筆者を含め現役世代には無縁の話です。社会風俗的な資料として興味本位で読んでいただければ嬉しいです。
現金での贈与は避けた方がいい
不倫相手(もしくは子供)に現金を生前に渡すのがオーソドックスなやり方でしょう。
しかし、税金の面を考えると非常に効率が悪くなります。110万円を超えた贈与には贈与税が課税されます。課税されたとしても確実にお金は渡るので、生前贈与は真っ先に選択される方法でしょう。
ただし、配偶者に知られていない通帳があり、そこにお金が入っていない限り、内緒で資金移動することは難しいのではないでしょうか。「それができたら苦労してない」というやつです。
生命保険(死亡保険)で残すのはどうか
生命保険なら、保険会社から直接支払われるので、不倫相手に残せるのではないかと思うかもしれません。
しかし死亡保険金の受取人として設定できる人は、配偶者をはじめ、二親等以内の血族に限られます。第三者を受取人にすることも可能な保険会社もありますが、内縁関係や同性パートナー、婚約者などの実態上の配偶者であると、面談の上で認められることが条件です。
認知をしていない非嫡出子も同様に受取人にはなれません。
不倫相手の家族に死亡保険金として残すことは、難しいといえます。
ただし、完全に不可能ではなく、ちょっとした工夫で死亡保険金が渡るスキームはあります。当然合法であり、コンプライアンス上も問題ありません。全ての保険会社でできます。考えてみれば、なるほどと誰もが気づく方法ですが、ここでは書きません。
遺言書の「付言事項」は無理筋
滑稽なのが、「遺言書の最後に『彼女と子供には感謝しているから、遺産を分けてあげてほしい』という付言事項を添えれば、家族も理解してくれる」という考え方です。 これをアドバイスしたFPがいたようですが・・・正直なところお花畑レベルです。
そもそも遺贈は公序良俗に反する場合は無効となります。
妻や子供がそんな一文を読んで「お父さんの遺志だから尊重しよう」などと納得するはずがありません。
遺言書の法解釈が云々と言い出すFPが理解していないのは、夫(父親)の不倫相手が出てきたらどのような状態になるかということです。もはや戦争です。付言事項がどうこうなど、全く意味がありません。死んだ後も家族を傷つける行為でしかないのです。
基本は不動産を使ったスキームを構築する
多くの経営者男性は不動産を使った手法を採用しています。
「死因贈与」×「仮登記」
遺言書とは異なり、贈与者と受贈者の合意による「契約」を活用します。
- 手法: 物件に「死因贈与による所有権移転請求権の仮登記」を設定。
- 効果: 第三者から見て「得体の知れない権利」がついた物件となり、市場価値を事実上ゼロ化して他者の介入をブロックします。
- 出口: 死後、執行者が単独で本登記へ移行。家族が気づいたときには名義変更が完了している状態を作れます。
「信託(家族信託)」による資産の切り離し
資産の「名義」そのものをあなたの手元から離し、独立させる手法です。
- 手法: 不動産の名義を受託者に移し、相手を「受益者」に設定。
- 遺留分対策: 物件そのものは相続財産から切り離されるため、遺産分割協議の対象外となります。遺留分侵害額請求の可能性は残るものの、「現物(不動産)を取り上げられる」という最悪の事態を法的に回避し、相手の居住権を確保します。
- 秘匿性: 登記簿には「信託」としか載らず、背後の受益者が誰であるかは外部から極めて見えにくくなります。
遺留分を侵害しない(減殺請求をさせない)状態にするには、信託財産(受益権)の合計額を、家族の遺留分枠に収まる範囲内にとどめておく必要があります。
「プライベートカンパニー」の活用
法人格という「分厚い壁」を盾に、支援を社会的に正当化する手法です。
- 手法: 資産管理法人で物件を購入し、相手を役員として雇用。
- 効果: 生活支援は「役員報酬」に、住まいの提供は「福利厚生(社宅)」へ。
- 防御: 家族が個人の財産を調査しても、法人の資産内容や役員報酬の実態までは辿り着けず、法的な対抗力も極めて強固です。
ネットには書けない、実務の「真実」
ここから先の内容は、公のブログに記すことはできません。
- 戦略: どのタイミングで、どの種類の不動産をポートフォリオに組み込むべきか?
- 登記: 第三者の介入を物理的にシャットアウトする「登記簿への高度な工夫」とは?
- 執行: 相続人が察知する前に、法的瑕疵なく名義変更を完結させる全体設計の秘匿性。
これらは、相談者の置かれた状況によって100人いれば100通りの正解があります。
当然ながら、これらはすべて合法的スキームです。しかし、その性質上、あまりに実戦的かつ不謹慎であるため、不特定多数の方の目に触れる場所で語るべきではないでしょう。
FPは実務には携わりません
筆者は、弁護士法、司法書士法、税理士法に定められた国家資格者の独占業務を厳格に遵守しています。
そのため、不動産売買の媒介、登記作業、具体的な税務計算、契約書の作成といった「実務」には一切関与いたしません。
また、特定の士業を斡旋し、そこから紹介料や謝礼を受け取ることもありません。これらは法的に「周旋(あっせん)」という違法行為であり、当事務所では一切排除しています。
当社ができるのは、一般論としての考え方をお話しすることだけです。具体的な案件へのアドバイスはしません。あくまでも雑談程度で一般論を語ることはできます。
【長岡FP事務所の考え方】
この記事を読んで、不快感を覚える方もいるでしょう。「不倫など不謹慎だ」「家族を裏切る手助けをするのか」という正論は、実にもっともです。私もそう思います。
しかし正論だけではどうにもならない事情はあるはずです。
綺麗事では片づけられない「切実な事情」を、私は輸入車ディーラー時代から嫌というほど見てきました。
そのひとつが、子供の存在です。
愛人の子供達には非はありません。認知されていなければ、子供は法定相続人にもなれません。人生において極めて不利な立場に追いやられているはずです。
大人としてその子たちを守る責任があるでしょう。少なくとも金銭的には報いて当然です。
たとえ子供が既に成人していたとしても、苦労をかけてきたはずです。人生において不利な生い立ちを強制してきたのです。それを償うためにもお金を残すことが必要です。
長岡FP事務所としては、不謹慎な事案だとしても、庇護すべき子供、償うべき子供がいるのであればお力になります。
筆者と相談者の間に、価値観、思想、党派的な主張が異なっているからと言って、仕事はお断りしません。長岡FP事務所は正義をジャッジする立場ではなく、正義の執行官でもありません。自分の納得感に依存する幼い仕事はしていません。
あなたに悩みがあるならとことん付き添います。
もし、誰にも言えない悩みを抱え、正論の壁に跳ね返されて途方に暮れているのなら。 一度、雑談でもしに来てください。


























