誹謗中傷と性能マウントばかり…工務店のYouTubeはもう疲れた・・・
家づくりを検討し始めると、YouTubeを熱心に見始める人は多いでしょう。
しかし、そこで繰り広げられているのは、残念ながら「施主のため」のプロフェッショナルなアドバイスではなく、「知識を道具にした性能マウントの取り合い」であることが少なくありません。
「高気密、高断熱の家は後悔する!」とか
「どっちが最強?〇〇工法VS〇〇工法」とか・・・
工務店の社長が出て来て熱弁するのです。
熱弁するだけでなく、必ず他社の工法や特定の建材、ひどい場合は他者そのものを否定するのが特徴です。
否定というよりも、実態は誹謗中傷とポジショントークです。過激なタイトルと内容で目立とうとする人たちなのです。
このような動画は一部の男性に非常に受けが良く、信者となる人もいるようです。
不安なあまりにスペックという数字に固執し、目的を見失うタイプの男性は、工務店社長が発信する比較&マウント系のチャンネルに夢中になりがちです。
恐怖心のあまり、そこに正解があると思いこみ、安心したいのでしょう。男性は強い言葉で発信する人に対して、神格化と妄信をする傾向があります。
住宅専門FPとして忖度なく言うと、YouTubeの情報の多くは、家づくりにとって有害なノイズと考えています。
実態はその工務店の宣伝であり、自社の利益に誘導するポジショントークでしかありません。YouTubeのアルゴリズムによって拡散された「悪口」は、幸せな家づくりとは相入れないものなのです。
冷静に判断する自信があれば、一定の知識は得られますが、気分が悪くなったり落ち込んだりもするでしょう。
この記事では、そのような誹謗中傷ノイズに惑わされず、冷静に「自分にとっての正解」を見極めるためのポイントを解説します。
なぜ「マニアックな工務店社長」の動画は危険なのか
YouTubeの動画を見ると、断熱性能や気密数値、特定の工法や建材をマニアックに語っています。
知らなかったことを覚えるので、一見、とても役に立つと考えるはずです。
しかしその情報を大量に浴びていると、無意識のうちにあなたのマインドが染まっていきます。
「〇〇でなければだめ」
「〇〇は失敗」
「〇〇を勧める住宅メーカーを信じるな」
「〇〇工法が正解」
「◯◯ホームで建てるな」
そのような情報に染まり、地元の住宅メーカーに行ってYouTubeで得た浅い知識をひけらかし・・・「やっぱりグラスウールはダメな建材だ云々」「C値は◯◯以下はゴミ」などと言いだすのです。
YouTubeで見たものがポジショントーク(利益誘導トーク)だと気づかず全て信じているので、実際の商談では誰もが嘘をついているような妄想を持ちやすくなります。
YouTubeの工務店動画には多くの問題があると筆者は考えています。
その一例を解説します。
知識がマウントの道具になっている
瑣末な数値を武器に他社の工法を叩き、自分の正当性を誇示する。これは、いわば「ヤンキーの縄張り争い」のような誹謗中傷と変わりません。
知識が他人を叩くための道具だと勘違いしているのです。
「他社はこの建材を使っていない、だからだめ、この情報を知ってるオレ様が一番、どうだすごいだろう。」
動画を翻訳すると、すべてこのマインドにいきつきます。
消費者の生活を一切考えていない
性能の追求は大切ですが、それが消費者の人生に必要なものなのかは別問題です。
人生に影響を及ぼさない、単なる自己満足のオーバースペックもあるのです。
動画では、性能数値が0.1違うことが、消費者の生活にどのように影響するかは一切語られません。住宅性能さえ消費者のためではなく、「オレはすごいだろう」という承認欲求を満たす道具になっています。
お客さまの人生設計には全く無関心なのです。
性能を数値でしかアピールできない
自社製品の良さを熱く語るのはビジネスマンとして当然のことです。しかし伝え方が未熟で、性能を数値と比較でしか語れません。
この性能が消費者の人生設計になぜ必要かを、魅力的に説明するコミュニケーションの訓練ができていないので、数値でマウントすることしかできないのです。
顧客のメリットをイメージできていないので当然です。
大手・中堅ハウスメーカーに見る「コンプライアンス」の価値
誹謗中傷YouTubeチャンネルでは、大手ハウスメーカーを目の敵にする動画も散見されます。
しかし、大手住宅メーカーは、動画発信をする小規模工務店とは全く別世界の価値観を持っています。
誹謗中傷と受け取られかねない情報発信はしない
大手メーカーが自社の利益に誘導するような、独善的な情報を出すのを見たことがあるでしょうか?
特定の工法を貶し、自社の工法が唯一の正解だという情報を発信することはありえません。
また、社員個人がSNSで商品の情報を発信することは許されていません。
洗練されたコミュニケーション
教育が行き届いた担当者は、他社の誹謗中傷で自分を優位に見せようとするような、品位を欠く振る舞いはしません。
試しに客の立場から他社の誹謗中傷を言ってみてください。大手メーカーではその意見に無条件で乗っかり、自社の優位性を強調することはしません。「そのようなご意見もあるのですね。」程度の反応で、さっと話題を変えるはずです。
コンプライアンスの徹底
根拠の薄い誹謗中傷で、顧客の判断に影響を与えるような独善的な情報を提供することは、大手メーカーでは行われません。それは明確なコンプライアンス違反だからです。
訓練されたコミュニケーション
大手メーカーではセールスプロセスの訓練をしています。スムーズな案内やご意向のヒアリングができるように、常に練習しているのです。
お客さまのご意向を叶えるように仕事をしていくため、性能を数値だけでアピールすることがいかに無意味かを知っています。
有害な動画は見ないことが優先
情報を収集する際、以下の特徴に当てはまる動画は、あなたの判断を狂わせる可能性があるため、視聴を控えることをお勧めします。
特定の工法を執拗に攻撃している
自分の良さを語るのに、他社の否定を必要とするのは、自信のなさを表しています。
「これ以外の工法はダメ」という断定がある
建築に絶対の正解はありません。過去の正解も現代の非常識になっている世界です。今の常識も未来の非常識かもしれません。
そのような発言を聞いたら、「これがあなたの利益になるのね?」と読み替えて理解しましょう。
コメントが荒れると消している
動画のコメント欄を見てください。
中にはコメント欄に誹謗中傷が書き込まれている動画もあります。
コメント欄を荒らすのは、主に同業他社です。同じレベルの人同士で叩き合うのがSNSの世界なのはご存じでしょう。
見ているだけで疲れます。
コメントは信者以外のものを消しているのも特徴です。
筆者は個人的に、YouTubeの建築系動画は全て避けるほうがいいとアドバイスしています。自分の足で複数の会社を訪問し、そこで営業マンからのレクチャーを受けたり、住宅FPなどお金の専門家からの指導を受けたりして、自分の頭で判断するのが「唯一の正解」だからです。
家づくりを考える時の判断基準
家づくりを考える時、どのような判断基準を持っているといいのでしょうか。
3つだけ紹介します。
メンテナンス費用と建物寿命
最も大切なのがこれです。
建物が安くても維持費が高額になるケースはたくさんあります。屋根外壁の塗り替え、設備の交換、結露による腐れなど、メンテナンス費用が高額になると家計を圧迫していきます。
また、建物寿命が住宅ローンの返済期間程度しかない場合もあります。基本的に工務店はこの部分を明言しません。ローコスト住宅が50年以上持つことは考えにくいのが現実です。
ハイテク設備を山ほどつけたがる工務店もありますが、すべていつかは壊れます。永久的とか半永久的とか、設備の寿命について説明を受けている場合は、商談をやめることをおすすめします。
交換費用を考えると、最初から不要な設備もあるはずです。
イニシャルコスト(新築時の総予算)だけで判断している方が多いですが、維持費について工務店に明確にしてもらう必要があります。
建物の構造
建物の工法はいくつかありますが、きちんと施工ができていれば大きな差にはなりません。しかし、透湿防水シートに直接ウレタンフォームを吹き付けていたり、床下エアコンを設置したりと、建材メーカーや家電メーカーが推奨しない施工をしている場合は要注意です。
断熱材も、種類はありますがメリットとデメリットを理解したうえで、きちんと施工できていれば大きな差にはなりません。
土地選び
土地は建物よりも慎重に判断すべきポイントです。
土地は将来の資産価値(市場価値)を決める最大のファクターです。建物がいくら良くても、土地ほど資産価値に影響しません。
将来、子供世代が家を売却する時に、本当に売れる土地なのかはよく考える必要があります。特に地方は人口が激減していきます。土地の安い郊外のニュータウンに土地を購入した場合、30年後には過疎化が進み、家を売ることは困難になります。売れない空き家を所有し、延々と固定資産税の負担を子供が続けることは避けたいものです。
地方では、中核都市に建てるべきで、郊外(郡部)は避けるべきでしょう。ターミナル駅の近く、小中学校の近く、大きな病院の近く、バス路線の近く、そしてハザードマップで安全が確認される場所、というように考えていくと、決して安い土地ではありません。
土地費用に予算が削られることを工務店は嫌います。利益が削られるからです。「土地には妥協しない」と工務店に伝えましょう。それに反対するようであれば、商談はやめていいと思います。
信頼できる工務店の特徴
信頼できる工務店の特徴をお伝えしてこの記事を終わろうと思います。
長年、建築の現場をいち業者として見てきた経験から、次のような工務店は非常に満足度が高いです。
- 他社の誹謗中傷をしない
- 性能スペックの話を長々としない
- 顧客の人生観やライフスタイルについて、熱心に聞いてくれる
当たり前のことじゃないかと思うかもしれません。でも実際は、これが難しいのです。かつてないほど家が売れなくなった現在、顧客に真正面から向き合わず、売り上げを作ることに焦っているのが本音です。
苦しい時代だからこそ、顧客本位の商談をするべきなのですが、なぜか動画で独善的なマインドを晒してしまい、もっと苦しくなっていく・・・その世界には関わらないことをお勧めします。

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