【保存版】古い家に増築したら火災保険の築年数はどう判断される?増築後の必須手続きも解説

  住宅ローン保険相談の専門家|長岡fp事務所青森東京 増築した時の火災保険 建築年月は

増築したら、火災保険は新築扱いになる?

親から受け継いだ家や、中古で購入した古民家。ライフスタイルの変化に合わせて増築し、快適な住まいにリフォームするケースが増えています。特に近年、新築住宅の価格が高騰しているため手が出せず、築古の家を買って増築するケースが目立ってきました。

しかし、疑問に思うのは火災保険のこと。

火災保険は新築時は割引が多く、かけ金が安く済みます。30坪程度の戸建てであれば、5年一括払いで15万円~20万円ほど。しかし、築年数が古くなるほど掛け金が上がってしまいます。

1975年に建てられた元の建物の2/3を解体し、2025年に新しい建物をくっつけるという形の「増築」をした場合、気分的には「新築」でしょう。

このケースでは、火災保険の保険料を算出するための「建築年月」はいつになるのでしょうか。

1975年?2025年?それとも古い方と新しい方を分けて計算する?

この記事では、古い建物に増築した場合の火災保険の扱いや、増築後の手続きについて、専門的な内容を分かりやすく解説します。

【結論】増築しても火災保険の「築年数」は変わらない

まず、最も重要な結論からお伝えします。

たとえ大規模な増築を行ったとしても、火災保険の契約における建物の「建築年月」は、元の建物が建築された年(登記簿上の新築年月日)のままです。増築した年が新たな建築年月になるわけではありません。

これは、火災保険が建物の築年数を判断する際に、法務局が管理する「登記事項証明書(登記簿謄本)」の「原因及びその日付(登記原因)」欄に記載された「新築年月日」を正とするためです。

増築は法的には「建物表題部変更登記」に該当しますが、「新築」ではないため、この日付が更新されることはありません。

この日付を今の日付に変えるためには元の家を一度全て解体し、滅失登記をしてから、新たな建物を建築する必要があるのです。

したがって、1975年に建てられた家に2025年に増築した場合でも、火災保険上の建築年月は「1975年」として扱われ続けるのです。

つまり、新築部分が大半なのにも関わらず、1975年の建物として火災保険を掛けることになり、かけ金はとてつもなく高くなるということです。

古い建物の増築は、火災保険に加入できないこともある

大規模な増築をして気分は新築だとしても、実は、元の建物が築40年以上経過している場合、なんと火災保険に加入できないこともあります。

「いま引き渡しされたばかりの家なのになぜ???」

と驚くかもしれません。

損害保険会社の多くは、築40年、あるいは築50年を経過した建物について、火災保険の引き受けをしない(契約をしない)というルールになっています。

一部の大手損害保険会社では引き受けしてくれることもありますが、かけ金は非常に高いです。

筆者の自宅は建築が1974年、増築が近年の建物ですが、火災保険のかけ金は年払いで20万円ほど。5年契約であれば、100万円弱です。増築部分はツーバイフォー工法で、省令準耐火仕様であるはずですが、わずかに古い部分を残したがために割引は一切ありません。

筆者が取り扱っている損害保険会社で契約したのですが、保険料の試算を間違っているのではないかと何度も確認したほど高いです。

特に、1981年以前に建築された建物は、恐ろしく高くなると考えていいです。

1981年は新旧耐震基準の境界線

1981年以前の建物の火災保険は、加入できたとしても非常に高くなります。

それはなぜでしょうか。

1981年6月1日に建築基準法が大きく改正され、建物の耐震基準が「旧耐震基準」から「新耐震基準」へと変わった経緯があるからです。

  • 旧耐震基準(1981年5月31日までの建築確認) 震度5程度の地震で建物が倒壊・崩壊しないことが基準。大規模な地震に対する規定は明確ではありませんでした。
  • 新耐震基準(1981年6月1日以降の建築確認) 震度5強程度の地震ではほとんど損傷せず、震度6強から7に達する大規模な地震でも倒壊・崩壊しないことを目指す基準。

火災保険とセットで加入することが多い「地震保険」では、この耐震基準が保険料を決定する極めて重要な要素となります。

一般的に、旧耐震基準の建物は地震による倒壊リスクが高いと判断されるため、新耐震基準の建物に比べて地震保険料は割高になります。

増築しても築年数が変わらないということは、1981年以前の建物は、増築後も「旧耐震基準の建物」として扱われることを意味します。

増築後に放置は厳禁!絶対にやるべき火災保険の2つの手続き

「築年数が変わらないなら、保険もそのままでいいか」と考えるのは非常に危険です。

火災保険の手続きは必ず行ってください。

増築後は以下の2つの手続きを必ず行わなければなりません。

保険会社への「通知」

火災保険の契約では、契約者が保険の対象となる建物に増築や改築など、構造の著しい変更を加えた場合、遅滞なく保険会社に通知する「通知義務」が定められています。

増築は、まさにこの通知義務の対象です。

もし、この通知を怠ったまま火災などの被害に遭うと、保険会社は「契約内容と実際の建物の状況が異なる」と判断し、保険金の支払いを拒否したり、大幅に減額したりする可能性があります。最悪の場合、契約違反として保険契約そのものを解除されてしまうこともあり得ます。

増築が完了したら、まず第一に保険会社や代理店に連絡することが鉄則です。

建物の「評価額」を見直し、「保険金額」を増額する

こちらが、実質的に最も重要な手続きです。

増築によって、家の資産価値、すなわち「評価額」は確実に上がっています。

火災保険は、この評価額に基づいて万が一の際に支払われる保険金の上限である「保険金額」を設定します。

もし、増築前の評価額に基づいた古い保険金額のままだと、「一部保険」という非常に不利な状態に陥ってしまいます。

「一部保険」とは、建物の実際の評価額に対して、設定している保険金額が不足している状態を指します。この状態で損害が発生すると、支払われる保険金は「損害額 × (保険金額 ÷ 評価額)」の割合で削減されてしまいます。

一部保険を分かりやすく解説すると

  • 増築前の評価額:2,000万円
  • 増築前の保険金額:2,000万円(評価額と同額で契約)
  • 増築による価値増加分:1,000万円
  • 増築後の正しい評価額:3,000万円

この状態で保険の見直しをせず、保険金額が2,000万円のままだったとします。 もし、火災で1,500万円の損害が発生した場合、支払われる保険金は、

1,500万円(損害額) × { 2,000万円(保険金額) ÷ 3,000万円(評価額) } = 1,000万円

となり、損害額に対して500万円も不足してしまいます。これでは、家の修復もままなりません。

このような事態を防ぐため、増築後は必ず保険会社に建物の評価額を再計算してもらい、新しい評価額に見合った保険金額に増額する手続きが必要です。

当然、かけ金は非常に高くなります。

コスパを重視するなら古民家への増築は絶対避けた方がいい

雰囲気のある築70年の古民家・・・

まるでカフェのような雰囲気の大きな古民家・・・

リノベして、増築もして、雰囲気は古いままで現代の暮らしの快適さも同居させたい・・・

そう夢を見る人はとても多いです。中には古民家に2,000万円以上の費用をかけてリノベ&増築をした人もいます。

しかし火災保険という点から見ると、新築とは桁が違うかけ金が必要になります。新築であれば5年契約で20万円で済んだものが、築50年であるがために5年100万円ということもあるのです。

もちろん、火災保険の加入は義務ではないため、加入しないという選択もあるかもしれません。しかし火災となり家を失ったあと、リノベと増築に使った費用も一瞬で失うことになります。

古民家を手に入れてリノベーションと増築を検討している人は、火災保険のかけ金は新築の人の数倍の規模で支払う必要があると認識しておく必要があります。

コスパを重視して古民家を選んだ場合、むしろ維持費が最初から高くなるのが現実です。コスパが重要であれば、新築を選んだ方が無難です。

火災保険のご相談やお見積りは、当社までご連絡ください。

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長岡FP事務所
長岡FP事務所合同会社 代表社員 長岡理知。 住宅専門FPとして経験は約20年。累計相談件数は5,000世帯超です。もうひとつの専門分野は生命保険。脳出血やガンなどの大病を患ったときの生活防衛や、老後資金の資産運用についてアドバイスしています。
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長岡FP事務所合同会社 代表社員 長岡理知。 住宅専門FPとして経験は約20年。累計相談件数は5,000世帯超です。もうひとつの専門分野は生命保険。脳出血やガンなどの大病を患ったときの生活防衛や、老後資金の資産運用についてアドバイスしています。